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2023-10-31

フォントのお話

今日はハロウィンでしたね。
平日と言うこともあってか、いつものハロウィンよりも静かな気がします。
きっと昨年起きた韓国での事故もあって、警戒も強かったのでしょう。
渋谷では「来ないで」って呼びかけてたし。

10月も今日で最後。
明日からは11月です。
今年が残り2ヶ月となってしまいました。
早すぎますね(@@)

昨日はあるサービスの移行でドタバタしていました。
それはフォントサービスの移行。
フォントとはパソコンで使う書体のこと。

フォントを購入するって、普通の人はあまりしないと思う。
パソコン内に元々入っているフォントか、もしくはフリーで使えるフォントを使うのが普通でしょう。
よほどこだわっている人でないと、フォントを購入することは無いと思います。

しかし私の仕事はそうは行きません。
フォントの使い方で、デザインが大きく変わってしまいますから、フォントにはこだわりたいところ。
そしてこの業界は、モリサワのフォントがスタンダードです。

その昔、まだMacを使ってデザインをしていなかった頃。
紙に文字やイラストを貼って、版下を作っていた頃は、写植と呼ばれる、文字専門の仕事がありました。
私たちデザイナーは、文字のフォント、大きさ、行送りなどを細かく指定して、写植屋さんに文字を打ってもらっていました。
写植屋さんが出力してきた印画紙の文字を、版下に貼ってデザインを行っていた時代です。

その当時からモリサワは存在していた。
しかしモリサワよりも、シェアが大きかったのが写研でした。
当時は写植とい言えば写研で、モリサワは2流というイメージでした。
私も写植を出す時は、いつも写研のフォントで指定していた。

ところが時代が大きく変わる。
AdobeとMacintosh(Mac)を使ったDTPの波が押し寄せて来た。
illustratorとPhotoshopを使って、これまでアナログで行っていた作業を、デジタル化してMac1台で作業できる。
Adobeは写植シェアNo1の写研に、デジタルフォントの共同開発を持ちかける。

しかし写研はこれを蹴った。
まだまだアナログの時代が続くと読んでいたのでしょう。
Adobeは第2位のモリサワと提携。

結果、モリサワは大きく業績を伸ばし、写研はあっという間にデジタル化の波に飲まれてしまった。
今、この業界ではフォントと言えばモリサワになっている。
そのモリサワフォントがサービスの移行で、これまで使ってたサービスが終了となる。
10月いっぱいに手続きをしないといけなかったため、昨日は急いで手続きを行なった。

モリサワのフォントも昔はパッケージの買取でしたが、今は年間契約のサブスクになっています。
年間で5〜6万かかるのですが、昔に比べたら安くなったものです。
DTP初期の頃なんて、1書体で数十万しましたからね。
とても個人で買える代物ではありませんでした。

DTP初期の頃の印刷屋さんは、莫大な費用でMacとAdobeのアプリ、そしてデジタル製版に対応した機械、加えて高いフォントを購入していました。
まさか現在のような時代が来るなんて、当時は予想も出来ませんでした。

私がこの仕事を、フリーでできるのも、時代のお陰だと思います。
Macの値段も下がり、Adobeのアプリがサブスクになり、フォントもサブスクで使える時代になった。
昔のような価格なら、絶対にフリーでは仕事できていません。

フォントサービスも新しくなり、明日からは11月。
今年も残り2ヶ月。
改めて気合を入れて頑張ろう。

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