一度だけ会えるとしたら
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もしあの世に行ってしまった人と、1人だけ一度だけ会えるとしたら。
あなたは誰と会いたいですか?
私はやっぱり母ですね。
母が他界して、1年以上経ちますが、やっぱりまだどこかにいるような感覚が消えません。
家族で何か嬉しいことがあった時、ふっと「母に連絡しなきゃ」って頭をよぎります。
母はもういないことは、理屈ではわかっているけど、まだまだ心が受け入れていないのかも知れないですね。
もし母ともう一度だけ会えるとしたら、私は何を話すだろう?
母に謝るかな?
長男として、母が望むような息子で無かったと、母に謝るかも。
きっと母は「そんなことはない」と言うでしょう。
母は私に多くのことを望みませんでした。
子供達に迷惑をかけたくない、という気持ちが強かったように思います。
だからこそ、最後まで一人暮らしを頑張った。
本当は奄美に帰って来て欲しかったのではないか?
一緒に暮らしたいとの気持ちは無かったのだろうか?
どうしても長男として、母の気持ちがわからないままなのが、心のわだかまりとなっている。
母が元気な内に、そんな話をしていたら良かったと思う。
でも、きっと母は本音を話さなかっただろう。
私たちの家族が、奄美に帰ってくることは出来ないことを、母は一番わかっていた。
一度、本気で奄美に帰ろうと思ったことがある。
息子がまだ小学生になる前かな?
真剣に考えて、嫁さんにも相談して、前向きに考えていた。
でも、母は頑なに反対していたようです。
そのことを直接母から聞いたのではなく、奄美の姉から伝えられました。
奄美に帰って来ても、仕事もそんなに無いし、大変なのがわかっている。
きっと嬉しい気持ちもあるけど、私たちの家族のことを考えて反対したんだろう。
しかし、直接私には言わない。
きっと言えなかったんだと思う。
だから遠回しに、姉から伝えたんだろう。
最後まで、自分のことよりも、子供たちのことを心配していた母。
苦労の連続だった人生だと思う。
母の苦労に比べれば、私の人生は、なんて恵まれていることか。
母の夢を見ることもありません。
きっとあの世を満喫しているのかな?
もう会うことは出来ないけど、いつも見守ってくれていると思う。
でも時には夢の中ででも会いたいですね。