武道とスポーツは違う

オリンピック、日本選手頑張っていますね。
金の数が今のところ世界トップです。
各種目で本当に活躍していて、同じ日本人として嬉しく思います。

柔道も金メダル獲得していますが、阿部詩選手は期待されながらまさかの２回戦負け。
負けた後の号泣が話題になりましたが、この号泣に賛否分かれています。
「かわいそうだ」と擁護する声の一方、「みっともない」と叱咤する声もあります。

私も正直、「泣くのならせめて会場を後にしてから」と思いました。
泣きたい気持ちも当然わかる。本当に悔しかっただろうし、自分自身が許せなかったのだろう。
ただ、それでも泣くのなら会場を後にしてから、思いっきり泣いて欲しかった。

柔道がオリンピック競技になってから、柔道はJUDOUになったと言われています。
本来の武道からスポーツになってしまったと。
武道であれば、勝っても負けても、相手に対して礼を重んじる。
勝利した瞬間に拳を上げてガッツポーズは、本来の武道であれば許されぬこと。

ちなみに同じ武道である剣道は、1本取った後にガッツポーズをしたら、1本が取り消されます。
勝って喜ぶのは、試合場を出た後。
試合が終わって、互いにそんきょして礼をして、試合場を出てからなのです。

剣道は勝ち負けにこだわるではなく、試合の中から学ぶことが大事。
それでも試合には勝ちたいから、必死で戦いますけどね。
ただ、勝てば良いというものではないということです。

なぜ剣道がオリンピックの種目にならないか？
それは日本剣道連盟が頑なに、オリンピック種目を否定しているからと言われています。
もしオリンピック種目になったら、柔道と同じく剣道はKENDOになってしまうでしょう。
武道としての立ち振る舞いは無くなり、勝ったらガッツポーズして飛び跳ねるようになる。
武道とスポーツは全く違うものです。

柔道でもまだ武道魂を持っている選手もいる。
勝利しても淡々として礼をして畳を降りてから喜びを出す。
それが本来の柔道の姿だと思います。

剣道は絶対にオリンピック種目にはなってほしくありません。
世界大会があるので、それで十分でしょう。
武道を世界に広めるには、日本人がまず武道の心得をしっかり会得しないとダメですね。

さっきからまるで自分が武道しているような書き方ですが（笑）
子供達の剣道の稽古に、ずっと付き添ってきて、そして試合を見ていて感じていることです。
武道は武道として、スポーツはスポーツマンシップに則って、戦う相手をリスペクトして勝利して欲しいものです。

日本選手は本当に立派な戦い方をしていると思います。
首を傾げたくなるような審判の判定や、誤審と思われる判定も多発していますが、それに負けずに頑張って欲しいですね。